「肩甲骨はがし」は本当にはがれているのか|理学療法士が説明します

「肩甲骨はがし」という言葉を検索すると、効果を宣伝するページが並びます。その一方で、「効果ない」「意味ない」「嘘」といった言葉が検索候補に出てきます。

疑いたくなるのは当然だと思います。名前がかなり強いですし、何をされるのかも分かりにくい。

理学療法士として、できるだけ正直にご説明します。

結論から言うと、はがれてはいません

肩甲骨は、もともとくっついていません

肩甲骨は、背中側にある三角形の平たい骨です。

この骨は、背骨と直接つながってはいません。鎖骨と接している一点を除けば、胸郭の上を滑るように動く構造になっています。筋肉によって吊られている、と言ったほうが近いかもしれません。

つまり、はがすべき「くっついている状態」がそもそも存在しません。

では「はがし」とは何を指しているのか

実際に行われているのは、肩甲骨のまわりにある筋肉をゆるめることです。

肩甲骨には、背中や首、腕につながる筋肉が何本も付いています。これらが縮んで固まると、肩甲骨は可動域が狭くなります。動かない肩甲骨は、背中に貼りついたように感じられます。

その筋肉をゆるめて、肩甲骨が本来持っている可動域を取り戻す。これが施術の中身です。

「はがす」は、その結果として得られる感覚を表した言葉だと考えてください。医学用語ではありませんし、文字どおりの意味でもありません。

効果がないと言われるのはなぜか

期待している変化が違う場合

「一回で肩こりが治る」と期待して受けると、そうはなりません。

固まるまでに数か月から数年かかっている筋肉が、一回の施術で元に戻ることはありません。施術直後に軽くなっても、生活習慣が同じなら、また同じように固まります。

動かなくなった原因が生活の側にあるとき、施術だけで解決するのは難しいです。これは肩甲骨まわりに限った話ではありません。

原因が肩甲骨まわりにない場合

肩こりの原因が、肩甲骨のまわりにあるとは限りません。

肩を上げたままの姿勢が習慣になっている、首の位置が前に出ている、骨盤が後ろに倒れて背中が丸まっている。こうした場合、肩甲骨まわりだけをゆるめても、すぐ元の状態に戻ります。

「効果がなかった」という経験は、施術そのものより原因の見立てが合っていなかったことによる場合があります。

動きの範囲には個人差があります

指が肩甲骨の内側に深く入る人もいれば、ほとんど入らない人もいます。

これは骨の形や筋肉の付き方、周辺組織の状態による個人差で、「入るほど良い」というものではありません。入らないから固まっている、とも限りません。

指が入る動画が広まったことで、そこを目標のように捉える方が増えましたが、目的は動く範囲を取り戻すことであって、指を入れることではありません。

痛いのは普通なのか

強い痛みを我慢する必要はありません。

縮んだ筋肉を伸ばすとき、ある程度の張り感はあります。「痛気持ちいい」と表現される範囲です。ただ、息を止めるほどの痛みや、思わず声が出るような痛みは行き過ぎです。

痛みがあると、身体は反射的に力を入れて守ろうとします。力が入った状態でほぐそうとしても、うまくいきません。 強くやるほど効くわけではない、というのはそういう理由です。

施術中に痛ければ、その場で伝えてください。力加減は何度でも変えられます。

自分でできること、できないこと

自分でできること

肩甲骨を動かす練習は、道具なしでできます。

椅子に座り、肘を伸ばしたまま手のひらを内に向けて腕を前方に180°上げます。腕を上げたまま手のひらを外に向けます。手のひらを外に向けたまま、肘を曲げながら腕をおろしてきます(この時点で手のひらの位置は顔の横ぐらい)。はじめの位置に腕をおろします。この一連の流れを繰り返しましょう。

この運動だけで肩甲骨が全方向に動くので、ほぐすのにピッタリです。日に数回、思い出したときに行うだけで、動く範囲は変わってきます。

自分では難しいこと

肩甲骨の下側、脇の下から背中に回り込む部分は、自分では届きません。

また、どこが原因で動きにくくなっているかを自分で判断するのは困難です。肩甲骨まわりが固いように感じても、実際には胸の前側が縮んでいるせいで肩甲骨が引っ張られている、というケースもあります。

外から見てもらう価値があるのは、この部分です。

受けないほうがいい場合

肩を動かすと強い痛みが走る、腕にしびれがある、夜間に痛みで目が覚める。こうした症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。

五十肩や神経の問題など、ほぐすことでは解決しない原因があることもあります。原因が分からないまま強くほぐすと、悪化させることもあります。

判断に迷う場合は、受診を優先してください。

ソラリエでの考え方

ソラリエでは、理学療法士の国家資格を持つ施術者が、肩甲骨がどの方向に動きにくいかを確認したうえで施術に入ります。

上下、左右、回旋。動きにくい方向は人によって違いますし、その原因が肩甲骨まわりにあるとは限りません。そこを見極めてから触るというのが、ソラリエの方針です。

施術のあとには、その方の状態に合わせた動かし方をお伝えします。施術で広げた範囲を保つには、ご自身で動かし続けることが必要だからです。

肩まわりが気になる方には、もみほぐし(60分5,000円から)と全身ストレッチ(40分4,000円から)をご用意しています。身体の使い方から見直したい方には、整体(ボディメンテナンス)が40分5,000円、60分6,500円です。すべて税込です。

どれが合うか迷われる場合は、当日そのままご相談ください。

神戸市須磨区須磨浦通、完全予約制のサロンです。月・火・水・土の10時から22時まで営業しています。

今井裕人

リラクゼーションサロン ソラリエ-Solalier-のオーナー今井裕人です。
兵庫医科大学大学院修了後、理学療法士・リラクゼーションセラピストの経験を経てサロンオーナーになりました。
理学療法士・リラクゼーションセラピストとしての実務経験、知識を活かしてあなたの身体を内側から癒します。

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